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  Partition 4p
  01020304
Author: cantabile 様

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前触れもなくいきなりねじ込まれた熱い舌に、片瀬はただ翻弄されるだけだった。
「は、っう……」
口腔内をほしいままに蹂躙した松岡が、密着した粘膜をじわじわと快感を煽るように離して言った。
「君が彼女より私を満足させられるなら、彼女の不貞は、内密にしておこう」
そして再び片瀬の両の手首を片手で押さえ、もう片方の手で顎を上げさせ、改めて口内を犯した。
逃げ惑う片瀬の舌を捉えたが最後、思い切り吸い上げ、唾液を啜りこんだ。
その陰圧と同期しているかのように、空白になる意識を辛うじて保とうと、片瀬はできる限りの抵抗を試みた。
「ん、うっく……ん」
しかし一旦絡めとられた舌は、片瀬の意思とは裏腹に、陰圧を開放された松岡の唾液と交じり合い、それを飲み込む時間が邪魔でもあるかのように、より深い快感へと自らを送り込むのにさして時間はかからなかった。
「こちらも合格だ。入れるより入れられるほうが悦ぶ、淫乱な体だ」
唾液の交易を中止した松岡が、今度は右の耳に囁いた。
「ひ…っく」
「おや、もう腰を揺らして」
片瀬は立ち上がり始めた自分の半身の存在を認めざるを得なかった。
「松岡課長! 止めてください、お願いです、有里を、これ以上、辱めることは……」
松岡は密着していた体を、片瀬の両手首を掴んでいる手を支点にして起こした。
「人の心配をするより、これから一体何をされるのか、解って言っているのか?」
わざとあきれた口調を装う松岡に、片瀬は頭が白くなった。
「今君が想像した以上の快楽を、与えてやろう……」

「あっ……課長、やめ…止めてください」
シャツを剥ぎ取り、下着の上から胸の突起を、一番敏感な部分を避けるように乳暈を柔らかく刺激される、その行為に片瀬は次第に快感を感じ、体を捩った。
「これから、止めてください、という代わりに、もっと、と強請りなさい。それが君の体から出てくる本当の答えだ」
「や、やめて……」
松岡は口角を上げて、手の動きを止めた。
突然止められた刺激に、片瀬の腰は思わず揺れて、目から涙がこぼれた。
「何て言うんだ?今教えたばかりだ」
涙がほほを伝い、シーツにこぼれる。
「も……」
「ちゃんと言いなさい」
「もっと」
「もっと、どうするんだ?」
松岡は両脇に長い指を滑らせてそこで止めた。
「あ、ああっ、もっと、もっと、く、ください」
「泣くほど欲しいのか」
そして松岡は固くとがった乳首を、思い切り指で挟んだ。
「アァッーーー」
そして下瞼からこぼれそうな涙を、舌先で決壊させて舐め取り、今度は乳首を親指であやすように撫でながら耳元で囁いた。
「明日からは下着は着けるな。ココだけでいける様に、毎日可愛がってやる」
そう言い終わらないうちに、先ほどより指に力を入れて乳首を捻った。
「ア、アァ……ん」
「素質は充分だな」
松岡は次に、拘束する必要もないほど力の抜けた片瀬の左手を、右手で引き寄せ、指を組み合わせた。そしてそのまま、ゆっくりと指の付け根に近い部分を親指から順に人差し指、中指と舌を這わせた。片瀬は陶然として自分の指の順番が来るのを待ち望むうちに、舐められているのが自分の指か、松岡の指か、わからなくなっていった。

「腰を動かすな。やりづらい」
そう言われたが、快感に身を捩る自分を浅ましいとは思いつつ、片瀬は自制することができなかった。すっかり立ち上がった片瀬自身は、より直接的な刺激と開放を求め、先端からはもう、しずくが溢れ始めていた。
松岡は膝で、片瀬自身を確かめ、
「どこもかしこも、淫乱にできているな」
と、嘲るように吐き捨ててから、急に体重をかけた。
「ひ……っ」
強すぎる急な刺激に、股間は萎え、片瀬は何も映さない濡れた瞳で松岡のいる方を見つめた。
「慌てるな。ゆっくり味あわせてやろう。男の味を」
そういって左手を舐めきると、片瀬の口元に右手を差し出した。
「同じようにできるね」
最初こそ抵抗があったものの、片瀬は次第にその行為に夢中になった。
松岡は行為の最中にも、片瀬の唇を自由な指で翻弄し、一方の手では手のひらの窪みで乳暈につかず離れずの刺激を与え続けた。
すると片瀬は松岡の親指を、まるで松岡自身であるかのように咥えた。
「やっと見つけたな」
片瀬は関節の内側の括れを舌で愛撫したり、根元まで吸い上げた後、舌先で爪の隙間を丹念に舐めたりする行為に没頭した。
「歯を立てないように。そう、なかなかだ、」
そう言うと、褒美のように乳首を捻った。
「あっ、やっ!」
「止めるのか?」
「いえ、も、もっと、ください」
「やっと本性を現してきたな、」
と、松岡は満足げに、反対側のまだ立ち上がっていない乳首も捻り上げた。
「きゃっ」
「口の奉仕が留守になっている」
「は、はい」
そして片瀬は松岡の親指を咥えなおし、自らの舌と陰圧で注挿をうながした。
有里を守るために松岡を口止めするために、という理由すら脳裡からは消え、片瀬はひたすらに行為に没頭した。
「そろそろ、準備をしよう。鞄から出しなさい」
片瀬は親指から開放され、真っ赤に充血した唇を半開きにしたまま、問いたげな目で松岡を見た。
「察しが悪いね。君の恋人は、買うのが恥ずかしいから、いつも君が用意していると言っていたよ」
片瀬は松岡の言葉の意味を理解した。そしてこれからの行為が紛れもなくセックスなのだということを嫌でも理解せざるを得なかった。
「自分で脱ぎなさい」
片瀬は松岡が監視する中、ベルトを外し、ズボンを脱いだ。そしてトランクス一枚になったとき、どうしてもそれを脱ぎ去ることができずに震えた。それが羞恥によるものか、恐怖によるものか解らなかったが、再び涙が溢れてきた。
「全く世話が焼けるな」
上着を脱いだだけの松岡は、ゆっくりと片瀬に近づいた。溢れかえるような男の色香に、片瀬は体中が震えた。この体に抱かれるのだ。松岡は濡れた頬に指を当て、優しくそれを拭ったかと思うと、顎の窪みに親指を当て、震える唇を開かせ、まず上唇を松岡の唇で挟み、次に下唇を挟んで、あやすように口付けた。
「か、課長?」
「怪我をしたいのか?」

片瀬はうつぶせの体勢を取らされ、腰を高く上げられた。
「脚をもっと開きなさい」
言われるがままに脚を開くと、松岡は指にゼリー付きのコンドームを装着し、蕾の入り口をぬるぬると撫でた。
初めての感覚に、片瀬は歯を食いしばって耐えた。何より、人に見せたことのない部分が暴かれ、
外気にさらされていることを意識から飛ばそうと必死だった。
「我慢も最初のうちだけだ。ココに……」
松岡は人差し指をゆっくり回し入れた。
「私が入っていないと、足りない体にしてやろう」

松岡の指はあくまでも優しく、ゆっくりと片瀬の蕾をほぐした。緊張で萎えたままだった片瀬の半身は、羞恥が徐々に快感にすり替わったのか、その存在を主張し始めた。
「はっあぁああ」
不意に松岡に擦られ、片瀬は悦びのあまり背中をしならせて啼いた。
その瞬間、蕾が大きく開かれ、めりめりと音を立てるように松岡の先端が、片瀬の中に入っていった。
あまりの衝撃に片瀬は言葉を失い、動きが止まった。
松岡は中に埋め込んだ自身の形をなぞるように、片瀬の蕾の周辺を指で確かめた。
「私が中に入っているのが、わかるか」
片瀬はただうなずいた。うなずく拍子に、胸の突起がシーツに擦られて、一瞬力が抜けた。
それを狙ったかのように、松岡は一気に自身を埋め込んだ。
――息が止まる。
命までとられたように、片瀬は声もなく衝撃に耐えた。
さすがにきつかったのだろう、松岡は眉間に苦渋の皺を寄せながら、しかしはっきりと言った。
「ふ、ふ、すごい締め付けだな。よく覚えておきなさい。これが私の形だ」
そして更にえぐるように腰を打ちつけた。



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【……続く?】






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